嘆きのばんび

アンジー( ANGIE ) 嘆きのばんび歌詞
1.祈り

作詞:水戸華之介
作曲:中谷のブースカ

青い影の中 君の目が光る
そっと側へ来て 爪に針を刺す
爪がはがれた
爪がはがれた
厭になった
厭になっても 救われない

荒れた天国で 君の料理した
鈍色に光る 釘を食べていた
口は血だらけ
口は血だらけ
厭になった
厭になっても 救われない

祈りながら 空になって
沈みこんでゆけ
祈りながら 空になって
底の無い沼へ 消えちまえ

さまよえる物は 君に手を引かれ
泥の舟に乗り 沼へ漕いで行く
舟が砕けた
舟が砕けた
厭になった
厭になっても 救われない


2.花火

作詞:水戸華之介
作曲:中谷のブースカ

ユビキリヲ スルマエニ
ヨゾラヨ アザヤカニ
ボクハ ハナビ

漆黒の 闇の中
激しく 閃いた
そのせつな そのせつな
高ぶった

花火 花火 花火

腹わたが 飛び散って
行く先が わからない
まあいいや まあいいや
でも 捨てないで

花火 花火 花火


3.幸運(ラッキー)

作詞:水戸華之介
作曲:中谷のブースカ

いっぱい空から天使が落ちてきた朝は
絶対なんでもかんでもうまくやれるさ

そこで震えてるよりも前に
堅く閉じた窓を開いて
さあ飛んでみようじゃないか

飛ぼうと思えば僕らきっと飛べるんだ

君の部屋の窓の外
転がっているさ ラッキー
君の部屋の窓の外
転がっているさ ラッキー

でっかい海から人魚が躍り出た夜は
絶対どんなに遠くの町でも行けるさ

泣きながら家を出るのは
追いこまれたときじゃなくて
恵まれた今しかないんだ

そっと静かに窓から這い出しておいで

君の目指している場所に
転がっているさ ラッキー
君の目指している場所に
転がっているさ ラッキー

なにもかもうまくやれるさ
なにもかもうまくやれるさ
なにもかもうまくやれるさ

飛ぼうと思えば僕らきっと飛べるんだ

きっと君はなにもかも
うまくやれるさ ラッキー
きっと君はなにもかも
うまくやれるさ ラッキー

やっぱり僕ら迷ってちゃだめさ ラッキー


4.腹々時計

作詞:水戸華之介
作曲:中谷のブースカ

腹々時計 遊びじゃないよ
腹々時計 捕まらないよ

腹々時計は裏切らない
煮えくり返った腹の中
燃やせ

燃やせ 煮えくり返る
燃やせ


さよなら時計 引導渡せ
さよなら時計 引導渡せ


5.でくのぼう

作詞:水戸華之介
作曲:中谷のブースカ

バス通りをずっと歩いたら
大勢から傷つけられたよ
抜き出したナイーブな神経は
君に踏まれて汚れてしまった

いっそのこと ただうすのろい
でくのぼうになってしまえたら
考えずに転がっていたら
君と恋もできると思う

誰か僕に 嘘をついてよ
全然平気さ 僕は今日から
でくのぼう

ランドセルを空にしてみよう
本棚には花を飾ろう
物置から椅子とテーブルを出そう
雲を眺めていよう

もうやめるんだ ナイーブな人生
逃げるのも 攻めるのも
何にもしない

誰か僕に 嘘をついてよ
全然平気さ 僕は今日から
でくのぼう


6.パンを一切れ

作詞:水戸華之介
作曲:中谷のブースカ

パンをひときれ きって
パンをひときれ わけた

ウサギが深夜にやってきて
イチゴのケーキを欲しがった
無いものねだりをされたって
家にはパンしか置いてない

人の好い ウサギには
これが 調度いい

パンをひときれ きって
パンをひときれ わけた

吟遊詩人は疲れはて
卑屈な態度でへたり込む
同情したりはしないけど
固めのパンなら少しある

詩人なら それだけで
きっと 伝わるさ

パンをひときれ きって
パンをひときれ わけた

あの娘はパン屋の工場で
夜更けになっても泣いていた
みんながあの娘を見限って
約束したのに守らない

月の無い 暗闇に
君が 家に来た

パンをひときれ きって
パンをひときれ わけた


7.バンビはどこだ

作詞:水戸華之介
作曲:中谷のブースカ

暗黒大陸さまよって
最後のバンビを探し出せ
民族会議を放りだし
最後のバンビを救い出せ

バンビはどこだバンビはどこだ
バンビはどこだ


8.バンビの死

作詞:三戸華之介
作曲:嶋尾ジョージ

淋しいバンビが死んだ
最後のバンビが死んだ
生命保険を 受け取っておくれよ
君の両手は薄汚れている

ポッカリ大きな穴を
胸に空けたのは誰だ
証拠のナイフは どこへ行っても
一山いくらで 売りさばいている

バンビの死における
あらゆる罪は
万人の者が
あまねく背負う

激しいバンビの恨み
遠く離れても届く
最後のバンビの 哀しい声が
骨の髄まで 染み込んでゆく

バンビの死における
あらゆる罪は
万人の者が
あまねく背負う
激しいバンビの恨み
遠く離れても届く
最後のバンビの 哀しい声が
骨の髄まで 染み込んでゆく
染み込んでゆく 染み込んでゆく
染み込んでゆく 染み込んでゆく
染み込んでゆく 染み込んでゆく
染み込んでゆく 染み込んでゆく


9.かくれんぼ

作詞:水戸華之介
作曲:中谷のブースカ

骨までかじられた野ウサギ
答えを事々く隠した

ゴミ溜めあたりで(もーいーかい)
国旗を立てたら(まーだだよ)
哀れ かくれんぼ

溜め息も 底をつく
ひからびた 喉の奥
お道化唄 唄ってた
みつからないのは お前だけ

一人で紙芝居ながめた
言葉の解らない島国

ゴミ溜めあたりで(もーいーかい)
国旗を立てたら(まーだだよ)
哀れ かくれんぼ

猿芝居 夢がない
ペテン師じゃ 口惜しい
だまされて 物欲しい
隠れているのは お前だけ

月夜にかくれんぼしてたよ
月夜にかくれんぼしてたよ

誘いもないのに(もーいーかい)
探していたとき(まーだだよ)
靴が脱げかけた

溜め息も 底をつく
ひからびた 喉の奥
お道化唄 唄ってた
みつからないのは お前だけ


10.ミミズ

作詞:水戸華之介
作曲:中谷のブースカ

私はミミズになって 裸で震えてる
餌 餌 餌だけ欲しかった
あゝ あゝ

日差しは愛情不足で そこには花畑
花 花 花びらかじってた
あゝ あゝ

私はひもじい 私は空しい
私は悔しい 裸で逃げてく
私は羨ましい 私は人恋しい
私は馬鹿馬鹿しい 裸で掘った穴
穴 穴 穴

掘ってみた 土深く掘った
それがミミズだ そうミミズ
ミミズ ミミズ ミミズ

手足も顔もない 情けは勿体ない
唾 唾 唾が降ってくる
あゝ あゝ

私は呪いをかけた はかない思い込み
だめ だめ これじゃだめなんだ
あゝ あゝ

私はせつない 私はさえない
私は死ねない 裸になっても
私は答えが無い 私は見つからない
私は死にたくない 裸で掘った穴
穴 穴 穴

掘ってみた 土深く掘った
それでおしまい さあ埋めろ
埋めろ 埋めろ 埋めろ

掘ってみた 土深く掘った
これじゃだめなんだ もうだめだ
だめなんだ だめなんだ だめなんだ


11.銀の腕時計

作詞:水戸華之介
作曲:中谷のブースカ

南の方から 君は現れて
峠の彼方へ とんでく
銀の腕時計 針がまわってる
目にもとまらぬ スピードで

ポプラの木陰で 君をみつめてる
長い長い午後を ついやし
僕の時計は 壊れてしまって
3時5分で 動かない

僕の午後は いつも晴れで
君にも少し わけてあげたい
ちょっとだけ ちょっとだけ
ちょっとだけさ

長い長い午後に ひざを抱えてる
そして君がとなりにいれば
腕の時計をとめて

銀の腕時計 黒い革ベルト
君に巻きついて からまる
僕の捧げる 花は届かない
風にさらわれ 舞い散る

僕は空回り 所在がないから
ポプラの木陰で まどろむ
僕の見た夢 野辺のありさま
七色の花が 咲きほこる

君が僕を 通り過ぎて行く
腕に巻いてる 時計がせかす
もっと行け もっと行け
もっと走れ

長い長い午後に 鳩が飛んできた
そして君がとなりにいれば
腕の時計をとめて

そして君がとなりにいれば
腕の時計をとめて

君の午後は本当は長い
腕の時計をとめて

花の首飾り 二人で編もう
腕の時計をとめて


12.庄屋の倉

作詞:水戸華之介
作曲:中谷のブースカ

貧乏暮らしの泥棒なんかじゃないさ
鼠の穴から世界を見ているだけさ
庄屋の倉の秘密を知ってる
この世の矛盾が眠っているのだ

(輝け)空の星よ
(輝け)夜を開け
庄屋の倉に導くのだ

庄屋の倉には金銀砂子の山だ
お前の部屋は生ゴミ臭くて変だ
たまにはお前も世間を呪え
輝くために生まれてきたんだ

(輝け)空の星よ
(輝け)夜を開け
庄屋の倉に導くのだ

(輝け)庄屋の倉に
(輝け)火を放て
金のびょうぶ 引き裂くのだ